”投資に興味あるけど怖くて手が出せない、おまけにどう始めたらいいのかわからない”
というイギリス在住の皆さん、私も2年前までそうでしたが、できるなら20年前の私に言ってやりたいです「1秒でも早くやれ」と。今はISA口座を3つ持ってます、それはまた別で解説します。
いわゆるアレです、もっと早くやればよかった、やってみたら意外に簡単だった、ってやつです。
では、投資には全くの初心者でも簡単に、£10からでも投資出来るイギリスの国策、税制を優遇して作られた”Stocks & Shares ISA”のメリットと始め方を解説しいていきます。
もくじ
1. Stocks & Share ISAとは?
2. ISAを利用出来る人の条件
3. なぜ初心者に向いているのか
4. Stocks & Share ISAの始め方
まとめ
1. Stocks & Shares ISAとは?
そもそもこのブログを見てるという事は、すでにStocks & Shares ISAについてはある程度ご存知だと思いますがザクっと説明していきます。
1, 最大のメリット・投資で得た利益や配当が “完全非課税”
イギリスでは通常、株式の売却益や配当には課税されます(通常年間£3000の非課税額)。
しかし、Stocks & Shares ISAの口座内で得た利益はすべて非課税。
これが最大のメリットです。
- 売却益:非課税
- 配当:非課税
- キャピタルゲイン税:非課税
- 申告:不要
税金を気にせず投資ができるので、長期投資との相性が抜群です。
ちなみに日本のNISAは、イギリスのISA(Individual Savings Account)制度をモデルにして作られており、NipponのNをつけてN+ISAになってます。
2, 年間£20000まで入金可能
ISAには年間の上限があり、2024/2025年は £20,000。 (毎年政府が変える可能性あり)
その他のISAにも分散して投資が可能。
・Cash ISA(リスクのない預金型)
・Lifetime ISA(40歳未満の人のみ開設可能、「初めての住宅購入」または「60歳以降の退職資金」のために貯蓄・運用することを目的とする)
その他、Innovative Finance ISA (革新的金融型ISA / IFISA)や、Junior ISA(JISA / ジュニアISA)などもある。
3. お金の出し入れ自由
特にStocks & Shares ISAについては出し入れが自由です。
ただし一度引き出してしまったお金は年間枠を使うことになり戻せないので注意が必要。
例:年間枠の£20000のうち£20000入金して£20000引き出した後は£1も入金出来ない。
しかし、最近では引き出してしまった年間枠のお金を戻せることが出来るプラットフォームもあるので要確認。
2. ISA を利用出来る人の条件
ISAが利用できる条件は 「イギリスの税務居住者(UK tax resident)であること」 です。
1. 必要条件
- イギリス在住(税務上の居住者)である
- National Insurance Number がある
- 銀行口座がある
- 16歳以上(Cash ISA)、18歳以上(Stocks & Shares ISA)
※ 移住目的のビザでなくても、実際に住んで働き税金を払う立場であればISA利用は可能です。
永住権は必要ありません。観光ビザなどの短期滞在では不可。
つまり、永住者でなくとも駐在やワーホリでもISAは利用出来ます。
2. 日本に帰国したらどうなる?
日本に帰国しても基本的には口座をそのままキープすることは可能です、しかし以下の条件あり。
● 帰国後は新規の入金は出来なくなる
イギリスの税務居住者でなくなるため、新しい資金追加は不可。
● すでに投資しているISA口座はそのまま保持可能
ただしプロバイダーに帰国すると申告しておくこと。
● 日本の税制上は課税対象になる可能性あり
帰国後は日本側の課税ルールが適応、税理士などに相談確認が必要。
日本の住民票を取ってしまったら課税されるので売却してしまうのがいいかもしれませんね。
3. なぜ初心者に向いているのか

Stocks & Shares ISAはその名の通り「株式と投資信託」なので全く経験がないとビビってしまいます。しかしそんなに不安になることはありません。なぜならほどんどのISAのプラットフォームには金融のプロが作った”モデルポートフォリオ”や”ロボアドバイザー”などがあり、自分の許容できる安全リスクの程度によって適切なポートフォリオを選ぶだけで、その後の運用は専門家やロボに任せてしまうことができるからです。
世界的に有名な資産運用会社Vanguard(ヴァンガード)を例に挙げると、どうしていいか分からない初心者にも使えるManaged ISA (マネージドISA)というサービスがあります。
仕組み:
- 簡単な質問に答えて、あなたのリスク許容度を特定。
- ヴァンガードの専門家が、そのリスクレベルに合った投資にあなたをマッチング。
- その後の運用や調整は、すべてヴァンガードの専門家が行う。
つまりあなたは何もする必要がないということです。
そしてこのようなサービスは大体の資産運用会社のプラットフォームで選ぶことが出来ます。
ちなみに私はヴァンガードでSelf-managed ISAの口座を持っていて自分で投資信託などを選んで運用しています。自分でやる方が手数料などが低いです。
4. Stocks & Shares ISAの始め方
今回は初心者の方に向けて、自分で選ぶのはリスク許容度のみで、あとはプロに任せて「ほったらかし」が可能な”モデルポートフォリオ”と”ロボアドバイザー”のサービスがあるプロバイダーをいくつか紹介します。
まずは、この2つのサービスの違いと、コスト比較に必須の手数料の種類を確認しておきます。
| サービス名 | 仕組みと戦略の決定者 | 日々の運用・管理 |
| モデルポートフォリオ (Ready-made Portfolio) | 人間の専門家 (ファンドマネージャー) が設計 | システムによる自動リバランス(専門家が監督) |
| ロボアドバイザー (Robo-Advisor) | AIとアルゴリズム (人間が設計したルールに基づく) | 全て自動で運用・リバランス |
コスト比較のポイント
モデルポートフォリオもロボアドバイザーも、以下の3つの手数料を合計した「総合コスト」で比較する必要があります。
- プラットフォーム手数料 (Platform Fee): ISA口座を運営・管理するための手数料。
- 運用管理手数料 (Management Fee): 運用戦略を提供するサービスへの手数料。(ロボアドバイザーで特に発生)
- ファンド経費率 (OCF): 実際に投資するファンドの運営にかかる手数料。
ここでは、特に手数料の安さに焦点を当て、Ready-made Portfolios(モデルポートフォリオ)とRobo-Advisors(ロボアドバイザー)を提供する主要プラットフォームを、総合コストの低い順にまとめました。
1. Vanguard
- モデルポートフォリオ (LifeStrategy, Target Retirementなど)
- 総合コストの目安: 0.21% 〜 0.37%
- 特徴: 圧倒的な低コストを誇る自社インデックスファンドに限定。長期のインデックス投資家や初心者におすすめ。
https://www.vanguardinvestor.co.uk
2. InvestEngine
- サービス種別: ロボアドバイザー (Managed Portfolios)
- 総合コストの目安: 約 0.40%
- 特徴: ETFに特化しており、運用管理手数料が非常に低く設定されています。自分でETFを選ぶDIYポートフォリオならプラットフォーム手数料は無料です。
InvestEngineではプロモーションがありこちらのリンクから口座を開くと£20〜£100のキャッシュがもらえます(最低£100入金した場合)
3. interactive investor (ii)
- サービス種別: モデルポートフォリオ (Managed ISA)
- 総合コストの目安: 高額投資で特に競争力が高まる
- 特徴: 月額固定費(フラットフィー)制。投資額が£20,000〜£30,000を超えると、パーセンテージ課金のプラットフォームよりもコスト効率が良くなります。
4. AJ Bell
- サービス種別: モデルポートフォリオ (Ready-made Funds)
- 総合コストの目安: 約 0.56% 〜 0.75%
- 特徴: 信頼性の高い大手上場プラットフォーム。コストとブランド信頼性のバランスが取れており、自社のレディメイド・ファンドを提供しています。
5. Wealthify
- サービス種別: ロボアドバイザー
- 総合コストの目安: 約 0.76%
- 特徴: シンプルで直感的なアプリとデザインが人気のロボアドバイザーサービス。Aviva傘下です。
6. Moneyfarm
- サービス種別: ロボアドバイザー
- 総合コストの目安: 約 0.90% (少額投資時)
- 特徴: 投資額が増えると手数料が下がるティアード制。人間によるアドバイスも受けられるサービスが特徴です。
こちらのサイトも参考にしてみるといいですよ。イギリスで最も優れたロボアドバイザー
まずは気になるプラットフォームの公式サイトにアクセスして、手数料やポートフォリオの内容を比較してみましょう。気に入ったら、そのまま口座開設まで進めればOKです。
迷ったら、低コスト × 自動分散のサービスを選べば失敗しにくいです。
まとめ
初心者が投資を始めるなら、まずは Stocks & Shares ISA を開設し、モデルポートフォリオやロボアドバイザーを活用するのがおすすめです。投資の知識がなくても、すぐに低コストで分散投資を始められます。しかも完全非課税です。
最終チェックリスト
✔ リスク許容度を決める
保守型・バランス型・成長型など、自分が許容できる投資リスクを先に明確にする。
✔ 総コストを比較する
投資予定額に合わせて、各プラットフォームの総コストを当てはめるのがポイント。長期投資は手数料が命です。
✔ 使いやすさを確認する
実際にアプリやサイトを触って、「続けやすいか」「自分にとって見やすいか」をチェック。
※投資を長く続けるためには、この点が意外と大切です。
"If you simply invested in an index fund, you would do better than 90% of the people who are trying to pick the right time to buy." 「もしあなたがただインデックスファンドに投資するだけであれば、買うタイミングを見計らおうとする人々の90%よりも良い成績を収めるだろう。」by ウォーレン・バフェット(株の神様)