こんにちは、tama です。
ロンドン在住20年以上で美容系の仕事をしています。
ロンドンでは多い盗難被害ですがこの数年でスマホの盗難が多発しています。
以前からスマホを盗まれたというお客様はそれなりにいましたがここ最近では盗られた人の数が半端なく増えてきています。2度盗まれたと言う人もいます。
今回はスマホの盗難についてニュースなどを含め、友人やお客様から聞いた実体験の情報などを元に書いています。
今からロンドンに駐在やワーキングホリデーで来る、もしくは来たばかりという人に限らず、永住者でもスマホの盗難を避ける対策の参考にしてもらえればと思います。
✔︎ もくじ
1. どんな人が狙われる?
Direct Line Home Insurance Plus (2015~2016) の統計によると45〜55歳、(2016~2019)では14〜24歳の人が多く被害に遭っているということです。
これはイギリスの保険会社の統計や届け出があったものなのでロンドンに来たばかりの駐在やワーホリ、その他の国から来た人々もこの数字に入っているとは言えません。
ロンドンに少しでも住んでいれば友人や知り合いなど誰かしらスマホを盗まれた経験者がいるのではないでしょうか。
それではどんな人が狙われやすいのでしょう?
狙われやすい人
どんな人が狙われやすいのか? すぐに思い浮かぶのはいかにも旅行者に見える人と思いますよね、そして男性よりも女性が被害に合いやすいなど。
しかし今や理由はこれだけです”スマホを持っている人全てがターゲット”です。
旅行者、在住者関係なく街中でスマホをいじっている人全員が狙われているのが事実。
その中でも特に気をつけたいのがこんな人です
- スマホを触りながら道を歩いている
- スマホをポケットに入れている
- レストランやカフェのテーブルにスマホを置く
- レストランやカフェのテーブルや椅子の下にカバンを置く
- 口の大きめなカバンを持っている
- バックのチャックなどが自分の見えない位置にある
- ダラダラと歩くなど警戒心がなさそうな人
- どう見ても観光客に見える
カフェなどでもカバンを置く場所や口の大きめなカバンなどは注意が必要、スマホに限らずカバンやお財布を盗まれてしまう確率はぐんと高くなります。
そして当然ですが男性より女性、若年層と老年層、荷物の多い人、大きな人より小さい人、男性なら大柄な西洋人より小柄なアジア人の男性など、とにかく力が弱そうとか走って追いかけても余裕で逃げられそうな相手を選んできます。
狙われやすい時間帯
朝6時〜夜、とほぼ一日中です。Nextdoor というご近所さんとつながるアプリの情報ではうちのエリアで朝と夕方のバス停でスナッチ(ひったくる)されたと書き込みありました。
2. どんな手口?
今時の盗人は白昼堂々とスマホを盗んで行きます。しかも小技を使ってくるツワモノも。
ではよくある手口や実際にスマホを盗られた人から聞いた実体験、小技を使ってくる手口などを紹介します。
1、ポケットからスられる(人混みのある場所、電車の中)
これは気がつかないうちにスられている場合が多い。ワイヤレスで音楽を聴いていて急に音が止まったと思ったらポケットからスられていたなど。
2、自転車やバイク(歩道で)
街中でスマホを使用しているとあっという間に手からもぎ取られてしまうパターン。
3、カフェやレストランのテラス席
こちらはスマホに限らずカバンごとやられる事もありますが、特にテーブルに置いたスマホを盗むパターンでは地図や紙などを持って聞きにくる人に注意。地図をスマホの上に置き、そのまましらっと盗んで行く手口です。
4、地下鉄の中(ドア付近の席)
地下鉄の中はカバンやポケットからスられる事はもちろんのこと、ドアから一番近い席に座ってスマホをいじっている場合、ドアが閉まる瞬間に手からもぎ取って電車を降りて行くという手口です。
5、カップル(男性がスマホを持っている場合)
こちらはカップルを狙った手口ですが、一人ではなく複数で小技を使ってきます。一人が女性に激しくぶつかり女性がよろける→連れの男性が助けようと女性を支えた所を別の一人が男性の手からスマホをもぎ取って逃げる、と言うパターン。このパターンはカップルでなくとも女性二人なども、一人に注意を向けた瞬間に取って逃げると言う手口。
現在では、手に持っているスマホを目の前で盗られることが多発しています。
3. ロンドンで被害の多いエリア
当然ですが被害の多い場所は人が集まる観光地が多く、盗られているスマホの数が半端ないです。
こちらは2016~2019年に被害が多かった場所の順位。参考:Voice of London
1. Westminster エリア スマホの盗難数 33,330
Westminsterエリアと言えばバッキンガム宮殿やトラファルガー広場などがある一番の観光名所。ロンドンのセントラルエリア。ピカデリーやSoho、コベントガーデンなどはとにかく人がごった返しているので特に注意が必要。
2. Camden エリア スマホの盗難数 19,835
カムデンといえばカムデン・マーケット。洋服から小物、食べ物と小さな店がひしめき合う人気のマーケット。こちらも人が多いのでスリに注意。
自分の実体験
かなり昔ですが洋服を見ていた時の事、同じく洋服を見ている親子がものすごく近くによってきて隣にピッタリと張り付かれました。その後すぐにポケットから地下鉄のチケット(今ならオイスターカード)が無くなっているのを発見。この親子はまた別の場所で同じように服を見ている人の横に張り付いてました。親子連れに注意です。
3. Islington エリア スマホの盗難数 15,925
食べ物からカルチャーまでトレンドのものが何でもあるおしゃれな人気のエリア。観光というより現地の人が集まる場所。この数年でレストランの数がさらに増えたりと、何かと注目されるエリア。
4. Hackney エリア スマホの盗難数 13,053
ハックニーといえば危険エリアの代表的な場所だったが不動産の沸騰でまともな人が住み始め、いまでは小洒落たエリアと日本の雑誌でも紹介されるまでに。バーバリーのアウトレットがあるので多くのアジア人が行くのだが、スマホなどを使うときは余計に気をつけることをお勧めします。
5. Southwark エリア スマホの盗難数 11,710
テムズ川を渡ったあたりのエリア。ロンドンブリッジ辺りやBorough マーケット、観覧車のあたりなど地元民にも観光客にも人気のエリア。
学生が多い地域
特に学生や歩行者歩が沢山いる地域にも盗難が多く、ブルームズベリー、キングス クロス、セント パンクラス、ピムリコ、エレファント&キャッスル、ハックニー、ハムステッドなどのエリア。
最も狙われる携帯のブランド
盗んだものを高く売るためには当然高いスマホが良い訳です。つまり最も狙われるのは Apple iPhone で 55% と盗まれる携帯のほぼ半分以上を占めてます。
盗まれた携帯はどこへ行く?
盗まれたしまった携帯はほぼ帰ってくることは無いようです。
まず初めに盗んだスマホから所有者の個人データを引き出し東ヨーロッパに売る、次にナイジェリア、ギニア、アルジェリア、および一部の東アジア諸国の闇市場で電話を販売しお金を稼ぐのが大まかなパターン。
盗まれたiPhone
つい最近聞いた実体験では盗まれたiPhoneを「iPhoneを探す」で場所を特定することが出来たので警察に連絡したところ部屋番号がわからないので捜索できないと言われたそうです。ちなみにこの方は夜誰もいないバス停でバスルートの確認のためにスマホを出したのち自転車の男にひったくられたそう。
基本、残念ながら警察はほぼ何もしてくれないのが現実のようです。
4. 盗まれないための対策
では盗まれないためにはどうしたらいいのでしょう?
一番の解決策は外ではなるべくスマホを使わない、です。
ものすごく当たり前の事ですが、それは難しい。
確実にスマホに頼らずとも目的地へ行けるならそれも可能ですが。
地図を見たり、待ち合わせの連絡を取り合ったりなどどうしてもスマホが必要な場合には最低限の対策を取るようにしましょう。
私自身、ものを盗まれたのはカムデンで例の親子にピックポケットされたのみですが、常にどんな被害にも合わないように気を使っています。
スマホに関しても以下の対策を常日頃実践しているので是非参考にしてみてください。
対策その1. 道路や公共の場
道路でスマホを使っている時に自転車に乗った人に引ったくられる場合が多々あります。
対策
- 車道から一番遠い歩道を歩く(自転車は車道を使うため)
- 常に周りを見渡す、自転車などが来たら避ける
- スマホは片手ではなくしっかり両手で持つ
- 夜のバス停などで使わない
- 使う必要があるなら店の中や広場の真ん中などを利用する
- 人がいないからといって安心しない、自転車はかなりのスピードでやって来ます
アドバイス
街中で使用するならBootsや駅内、M&Sのようなスーパーなどとにかく店に入って使う。
対策その2. カフェやレストランのテラス席
不特定多数のお客が出入りするコーヒーチェーン店やレストランのテラス席では特に注意が必要。スマホに限らずカバンごと盗られる場合も。
対策
- 絶対にテーブルの上に置かない
- 出来る限りカバンは自分の膝に乗せておく
- テーブルの下に置くカバンは足で挟む
- テーブルの下に置くカバンの取っ手を椅子の足にくぐらせる
アドバイス
きちんとしたレストランの店内以外ではスマホを絶対にテーブルの上に置かない事。
対策その3. 人混みや電車の中
人混みや電車の中ではスマホに限りずお財布などをスられるケースも多々あります。
対策
- ポケットの中に入れない
- 大きく開いたバックは持たない
- チャック式ならチャックを常に自分で見えるように持つ
- 人混みや電車内ではカバンを前に抱えて持つ
- 電車のドア付近でスマホを使わない
アドバイス
人混みや電車では必ずカバンの開け口をカバーするように持ったり、万が一ポケットにスマホを入れる場合は自分の手も一緒に入れておくこと。
対策その4. 保険に入っておく
万が一、盗難に遭ってしまう場合の為にも保険に入っておくのが無難です。
ただし、内容をしっかりと確認しておかないと保険がおりない場合もあります。
注意して確認したい保険の内容
- 新品以外では使用年数によっては保険が利用出来ない場合がある
- 盗難にあった時の状況が事細かに書かれており該当するorしないと支払われない
- リプレイスメントが新品ではなく中古の場合がある
- iPhone の場合他のスマホより保険料が高いもしくはエクセスが高い
安易に安い保険に入って結局使えないなんてことにならないようにしましょう。
5. 盗まれてしまった場合の対処
気をつけてはいるものの、それでも盗まれてしまった時の対処の流れです。
1. 使用している携帯会社と警察に紛失届け出を出す
警察に電話:999
サイトから:https://www.met.police.uk/ Report→lost or found property
保険の請求をする場合は必ず警察への届け出て盗難証明をもらう事。
携帯のIMEI 番号 (The International Mobile Equipment Identity) を記録しておく。警察が携帯電話の位置を追跡するために必要にな番号で、iPhone なら設定→一般で見ることが出来る。
2. 全ての携帯内容のサービスを停止
盗られてしまった携帯以外のデバイスで遠隔操作でロックする。
3. 個人情報を消す
盗られてしまった携帯以外のデバイスで遠隔操作で消去する。
4. 保険会社に連絡
必要書類を揃えておく(盗難証明書、携帯購入証明など)
盗まれた場所によっては警察を呼んだり、出来ることをやり、その後はすぐに帰宅するなりして全ての情報をストップさせるのが優先です。
まとめ
ロンドンでは街中でスマホを持っている全ての人が盗人のターゲットになっており、白昼堂々とスマホを目の前で盗まれるという事が起こっています。
盗られてしまったスマホはほぼ手元に帰ってくる事はなく、ナイジェリアあたりで売られているのが現状です。
ここはロンドン、日本のようなスマホの使い方をしていたらすぐに盗られてしまいます。盗まれて悔しい思いをするよりも常日頃から意識的に警戒するようにしましょう。
そして引ったくりを追いかけて行くのは危険を伴うのでよく考えて行動しましょう。